11月19日、NPO法人など地域に根差した介護保険の指定事業者が、介護労働者の給与引き上げについて、公的価格検討委員会に要望書を提出しました。
公的価格検討委員会における介護職員の処遇改善に関する要望書
2021年11月19日
内閣総理大臣 岸田文雄 様
厚生労働大臣 後藤茂之 様
政府は「新しい資本主義実現会議」を設置し、「次の成長につなげる分配」として、「看護・介護・保育等の現場で働く⽅々の賃⾦・所得引き上げ」を掲げました。
11月9日には全世代型社会保障構築会議の下に公的価格評価検討委員会が設置され、「公的価格の抜本的な見直し」の検討がはじまっています。
私たちは、地域に根差した小規模な事業所を運営する代表者です。
低賃金による慢性的な職員不足、長引くコロナ禍の疲労に苦しむ私たち介護事業者と介護従事者にとっては朗報です。
そこで、今回の検討がより良いものになるよう、以下の点を要望いたします。
記
1.介護職員の賃金は、全産業平均と同等にすること
2.全ての介護事業従事者を対象とすること
3.全ての福祉従事者を対象とすること
4.財源は介護保険報酬ではなく、一般財源とすること。
報道によれば、経済対策で前倒し実施するため、「保育士や介護職員については、月額で3%程度」で、約9,000円の積み増しとされています。
しかし、介護従事者の給与は全産業平均より月額8万円も低い現状に照らせば、「人材確保」に資するには到底足りない金額です。
相次ぐ離職と大幅な職員不足の解消を目的とするのなら、全産業平均に並ぶ8万円程度のアップが必要です。全国展開の大手介護会社が職員の大幅な賃金アップをはかると報道されていますが、地域の在宅介護を支えるNPOなどにはその体力はないのです。
長引くコロナ禍で減収に見舞われ、閉鎖・倒産する小規模事業者も少なくありません。
超高齢化が進む地域の中で、きめ細かな目配りで支援を行っている中小事業者が継続していかれなければ、介護力・経済力が脆弱な、大規模法人の展開する有料老人ホームなどを選べない要介護在宅高齢者の生活が崩壊します。
そのような中、今回の「賃金所得の引き上げ」には大きな期待をもって注視しています。
ご承知のとおり在宅介護を支える訪問介護の有効求人倍率は2019年度に15倍を超え、従事者のうち60歳以上が3割を超える状況にあります。早急に新たな人材を獲得しなければ、在宅介護が崩壊し、施設介護とは異なる介護技術の継承が危ぶまれます。
また、これまで介護報酬の介護職員処遇改善加算などの対象ではなかった居宅介護支援、福祉用具貸与など、介護保険の指定事業すべてを対象にすることを求めます。
そして介護従事者だけでなく、事務、送迎、調理担当など介護事業にかかわるすべての職員を対象としてください。
介護事業と同じく、人材難に苦しむ全ての福祉従事者も対象としてください。
財源については、介護報酬ではなく、一般財源を充てることを要望します。
これまで、介護職員処遇改善加算などを取得するには煩雑な事務手続きが課せられ、余裕がない小規模事業者は取得をあきらめてきました。
深刻な人手不足で閉鎖や倒産に追い込まれている多くは小規模な在宅サービス事業者です。
事務手続きを簡易なものとし、小規模事業者が対象から外れることがないよう強く求めます。
一般財源を充てることで、介護保険料、介護保険利用料の上昇を避けることになり、介護サービスを利用する人々の負担を抑えられます。
以上、大都市圏が超高齢化のピークを迎えようとする今、職員不足ゆえの介護・福祉サービス崩壊を招かないために要望いたします。
特定非営利活動法人 暮らしネット・えん 小島美里
特定非営利活動法人 東京山の手まごころサービス 服部万里子
特定非営利活動法人 サポートハウス年輪 安岡厚子
株式会社 隣家 西野裕哉
株式会社 アンクル 磯崎寿之
株式会社 福祉の杜いまじん 工藤美奈子
特定非営利活動法人 グレースケア機構 柳本文貴
特定非営利活動法人 太陽 石川千枝
株式会社 かくの木 畑中典子
株式会社ヒューマン・ケア 代表取締役 佐伯正和
合資会社 山口ケアサービス 山口慶恵
有限会社 タウンライフケア桜上水 山西荘大郎
公益社団法人 やどかりの里 増田一世
連絡先:特定非営利活動法人暮らしネット・えん
埼玉県新座市石神二丁目1番4号
Tel 048-480-4150 Fax 048-201-1311
