2023.01.30 厚生労働省ヒアリング報告7  増える地域支援事業のメニュー

2023.01.30 厚生労働省ヒアリング報告7 
増える地域支援事業のメニュー
1月30日、大河原まさこ衆議院議員の厚生労働省ヒアリングに同席しました。昨年12月、社会保障審議会介護保険部会がまとめた『介護保険制度の見直しに関する意見』の内容についてポイントを報告します。(市民福祉情報オフィス・ハスカップ 小竹雅子)
厚生労働省ヒアリング報告
1 第1号介護保険料の引き上げ、利用料2割負担の拡大
2 老健と介護医療院の室料(相部屋)を新設
3 ケアマネジメントの有料化と「生活援助」カット
4 ホームヘルプとデイの「複合型」を新設
5 特養の「特例入所」
6 有料老人ホームは「混合型」と「専用型」
7 増える地域支援事業のメニュー
8 高齢者虐待防止への対応
9 インセンティブ交付金の評価指標
厚生労働省ヒアリング報告7  増える地域支援事業のメニュー
法改正で、地域支援事業に「介護情報利活用の推進」事業を新設
質問14.
介護保険部会の『意見』には、「全国医療情報プラットフォームの実現に資するよう、介護情報を集約し、医療情報とも一体的に運用する情報基盤を国が全国一元的に整備することが必要」で、「介護情報基盤を用いて介護情報等の収集・提供等を行う事業は、保険料と公費の財源により実施する地域支援事業として位置付ける方向」とあります。
「全国医療情報プラットフォーム」のために、介護保険財源を充当するという理解でいいのか教えてください。
また、予算額を教えてください。
厚生労働省回答:
昨年、『骨太の方針2022(経済財政運営と改革の基本方針2022)』で掲げられています。
介護に関しては情報基盤ができていないので、地域支援事業に位置付けます。
医療と連携した形で介護情報の基盤をつくり、運用は介護保険財源を充当することを検討します。
地域支援事業に位置付ける場合、法律改正が必要で、予算額は決まっていません。
地域支援事業で実施する「高齢者の住まい確保」
質問15. 
地域支援事業に「高齢者の安心な住まいの確保に資する事業」(※)があるそうですが、具体的内容を教えてください。事業対象者数を把握しているなら教えてください。また、「介護保険制度における住まいと生活の一体的な支援」の具体的内容を教えてください。
厚生労働省回答:
高齢者の住まい確保が困難であるため、シルバーハウジング、県営住宅、市営住宅、公営住宅に住まわせるだけでなく、生活支援をセットにすることで高齢者に引き続き自立した生活を続けやすくする事業です。
県営住宅などでなくても、空き家空き室に、居住確保に困難な方、高齢者に限らず、困窮者、ひとり親、障がい者などの住まい確保するため、社会福祉法人、居住支援法人などの法人と連携することによって、大家さんが安心され、生活支援や見守りを提供することをセットにして住まいを提供します。
市町村が実施した場合、地域支援事業交付金でできることになっています。
今年度は、それぞれの自治体でモデル構築、調査研究を実施中(※※)で引き続き検討していきます。
事業対象者数は把握していませんが、東京都のデータでは4万2,262人と報告されています。
※2017年度から「地域支援事業の実施について」(実施要項)を改正
※※2022年度住まい支援システム構築に関する調査研究事業(2023年3月とりまとめ予定)
追加質問: 
住まい確保困難な高齢者はどれくらいいるのですか?
厚生労働省回答:
よく言われているのは単身高齢者で、賃貸更新の時に断られたり、持ち家であっても立ち退きを求められたりします。
具体的な数は出していませんが、今後調査研究でみていきます。
追加質問: 
住宅支援のために別に政策があるのではなく、介護保険でやらなければいけないのですか?
厚生労働省回答:
住宅と福祉分野の連携・役割分担と書かせていただいていますが、家と生活支援がセットで成立するように、それぞれの施策を横つなぎで連携するための橋渡しをします。
厚生労働省だけでなく国土交通省と省をまたいで一緒にやっていきます。
総合事業の「多様なサービス」で担い手に期待するのは前期高齢者
追加質問:
「介護保険制度の枠内で提供されるサービスのみでなく、インフォーマルサービスも含め、地域の受け皿を整備していくべき」とありますが、インフォーマルサービスとはなにか、期待している担い手はだれかも含めて教えてください。
厚生労働省回答:
具体的なものはありませんが、給付以外のサービスで、住民主体あるいは民間企業などが想定されます。
追加質問:
民生委員の不足がクローズアップされていますが、保護司も不足、NPOも高齢化するなか、期待する担い手を増やすことは可能と考えているのですか?
厚生労働省回答:
地域によりけりですが、仕事が終わって地域でやってみたいとおっしゃる高齢者もいると聞いているので、そういった方たちに活動を情報提供ができると考えています。
追加質問:
前期高齢者に期待するのですか?
厚生労働省回答:
そういうイメージになるかと思います。
「多様なサービス」は介護保険外サービス
質問16.
「多様なサービスについて、利用者やケアマネジャーがケアプランの作成時に適切に選択できる仕組みを検討する」とありますが、「多様なサービス」と「適切に選択できる仕組み」について、具体的に教えてください。
厚生労働省回答:
「多様なサービス」とは保険外サービスで、在宅の暮らしにあわせて、ケアマネジャーへの情報提供を検討したいと考えて
います。
「通いの場」は65歳以上に限らない
質問17.
総合事業の一般介護予防事業では、「通いの場」を「年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、誰もが一緒に参加し、認知症予防、多世代交流や就労的活動など、地域のニーズに応じた多様な機能を有する場として発展・拡充させていくことが重要」とありますが、対象者は誰なのか教えてください。
厚生労働省回答:
とくに限定していません。原則65歳以上ですが、自治体によっては多世代交流している場合もあります。
追加質問:
 市区町村の判断に任せるということですね?
厚生労働省回答:
そうですね。というよりは、市区町村の判断によりますが、年齢で分けるのは望ましくないと書かれており、それに沿って市町村にお願いしたいと考えています。
[関連資料]
厚生労働省老健局
〇社会保障審議会介護保険部会(菊池馨実・部会長)
『介護保険制度の見直しに関する意見』(2022.12.20公表)
Ⅰ 地域包括ケアシステムの深化・推進
1.生活を支える介護サービス等の基盤の整備
(住まいと生活の一体的支援)(P.10)
〇介護保険制度においては、地域支援事業の一つとして、「高齢者の安心な住まいの確保に資する事業」を実施しているが、このモデル事業の結果や全世代型社会保障構築会議における議論の状況等を踏まえて、介護保険制度における住まいと生活の一体的な支援の方策について、住宅分野や福祉分野などの介護分野以外の施策との連携や役割分担の在り方も含め、地域共生社会の実現に向けた観点から、引き続き検討することが適当である。
(介護情報利活用の推進)(P.12)
〇全国医療情報プラットフォームの実現に資するよう、介護情報を集約し、医療情報とも一体的に運用する情報基盤を国が全国一元的に整備することが必要である。
この介護情報基盤を用いて介護情報等の収集・提供等を行う事業は、保険料と公費の財源により実施する地域支援事業として位置付ける方向で、より効率的・効果的な運用となるよう、自治体等の関係者の意見も十分に踏まえながら、検討することが適当である。
2.様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現
(総合事業の多様なサービスの在り方)(P.14)
〇介護保険制度の枠内で提供されるサービスのみでなく、インフォーマルサービスも含め、地域の受け皿を整備していくべきであり、生活支援体制整備事業を一層促進していくことが重要である。
また、生活支援・介護予防サービスを行うNPOや民間企業等の主体が、生活支援体制整備事業における協議体へ参画するに当たって一定の要件を設けるなど、多様なサービスについて、利用者やケアマネジャーがケアプランの作成時に適切に選択できる仕組みを検討することが適当である。
通いの場については、年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、誰もが一緒に参加し、認知症予防、多世代交流や就労的活動など、地域のニーズに応じた多様な機能を有する場として発展・拡充させていくことが重要である。そのために、好事例の横展開に当たって、各地域の状況や課題毎に、より活用・参照しやすい形で通いの場の取組に資する情報を提供していくことなどを検討することが適当である。

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