CF115 『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』

CF115 『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』
Mein Blind Date mit dem Leben
障害と多文化を受けいれる力
舞台はドイツ。
愛称・サリーこと、サリヤ(コスティア・ウルマン)は、スリランカ人の父とドイツ人の母を持つハンサムボーイ。
一流ホテルマンになるのが夢で、レストランのアルバイトに励み、家では料理の腕をみがく。
明るく元気いっぱいのサリーだったが、ある日、目の調子がおかしいことに気づく。
医師の診断は、先天性の疾患が原因で網膜はく離を起こし、視力は5%(邦題は、これが由来)しか残らないという冷酷なもの。
しかし、サリーはめげない。
視覚障害者への職業教育を拒み、授業をまる暗記して、見事に高校を卒業。
あこがれのホテルマンをめざして、就職活動を開始する。
でも、履歴書に視力のことを正直に書くと、どのホテルからも断られる。
結局、障害を隠して、ミュンヘンの格式高い老舗ホテルの研修生に採用された。
面接で知り合ったマックス(ヤコブ・マッチェンツ)はサリーの障害に気づいて、ホテル内の間取りなどを教える。
サリーはお返しに、劣等生のマックスをさりげなくサポート。
気難しそうな厨房の料理長や、アフガニスタン難民の皿洗い(母国では外科医)も応援してくれる。
ホテル内での思いがけない、助けあいの関係がコミカルで楽しい。
しかし、見えないことを隠しながら研修を続けるサリーの前に、素敵な声のラウラ(アンナ・マリア・ミューエ)が現れた。
マックスから彼女の容姿を説明されたサリーは有頂天。
周囲の忠告に耳をかさないで、障害を伝えることなくデートを重ねる。
ところが、シングルマザーのラウラの息子と遊ぶことが増え、切羽詰まった事態に追い込まれる…。
原作者の実話とのことだが、サリーが「もう、障害を隠さない」とあきらめ、開き直り、自負を抱くまでの過程が、ていねいに描かれている。
サリーの記憶力のよさにも驚くが、難民問題を抱えながらも、総人口の2割が移民というドイツの多文化共生社会にも感銘を受ける作品。
(マルク・ローテムント監督/2017年/ドイツ/111分)

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