CF131 『八月の鯨』
The Whales of August
20世紀のハリウッドスターたちのきらめき
日本公開時に大ヒットした本作は、往年の映画ファンには忘れがたい名優たちの共演だ。
舞台はアメリカ・メイン州の島で、8月になると鯨がやってくるという岬の別荘での2日間を描く。
サラ(リリアン・ギッシュ)は若くして夫を失い、看護師として働いてきた。
老いてもせっせと家事をこなしている。
彼女が世話をする姉のリビー(ベティ・デイヴィス)は視力を失い、サラが頼りだ。
でも、フィラデルフィアで暮らす一人娘とは折り合いが悪く、不自由な身も腹だたしい。
ことあるごとに、妹に八つ当たりして、時折、手痛い反撃に会う。
姉妹の幼なじみのティシャ(アン・サザーン)が、ブルーベリーを摘みながらやってくる。
別荘の修繕を引き受ける大工のヨシュア(ハリー・ケリー・ジュニア)の作業は騒々しい。
釣りに来たマラノフ(ヴィンセント・プライス)は、一緒に暮らしていた女性が亡くなったばかりで、寄る辺がない。
魚をプレゼントするという彼をサラは夕食に招待するが、リビーは気に入らない…。
主演のリリアン・ギッシュ(1893~1993)は無声映画時代から可憐な容姿で知られたスターで、映画キャリアは75年。
本作出演時は93歳だが、変わらぬ愛らしさに驚かされた。
ベティ・デイヴィス(1908~1989)は、醜悪な役柄にも挑む演技派で鳴らした大女優。
ヴィンセント・プライス(1911~1993)は1950年代からホラー映画の「怪奇スター」として知られている。
20世紀のハリウッドスターたちの共演は、練り上げられた会話とともに、老いてもきらめく人生を描き、味わい深い。
(リンゼイ・アンダーソン監督/1987年/アメリカ/91分)
