CF138 『ラスト・ムービー・スター』

CF138 『ラスト・ムービー・スター』
The Last Movie Star
人生をパロディにされても余裕
これは、2018年に82歳で亡くなった俳優、バート・レイノルズのユーモラスな遺作だ。
レイノルズは1961年にデビューした「タフガイ」(もう、古語か?)で、日本でも『ロンゲスト・ヤード』(1974年)や『ブギーナイツ』(1997年)などで知られるアクションスター。 
なぜ、彼が「最後の映画スター」なのかよくわからないが、物語はかつてスクリーンで絶大な人気を誇ったヴィック・エドワーズ(レイノルズ)の隠居生活からはじまる。
広大な邸宅にひとり暮らしのヴィックは、老いた愛犬を安楽死させて、落ち込んでいた。
そこに、「国際ナッシュビル映画祭」から特別功労賞を授与するというあやしげな案内が届く。
クリント・イーストウッドやジャック・ニコルソンにも贈られたというのに惹かれ、重い腰を上げ、ナッシュビルに出かけてみた。
ところが、空港に迎えに来たのはリムジンではなく、鼻ピアスのリル(アリエル・ウィンター)が運転するオンボロ車。
宿は安モーテルで、映画祭の会場は町はずれのバー。
集まっていたのは、映画オタクの地元の若者たち。
招待状に応じてくれたのはヴィックが初めてと感激するメンバーに、むかつきまくる元スター。
さっさと帰ろうとしたヴィックだが、彼が生まれ育ったノックスビルはすぐ近く。
リルに命じて、生家、大学時代に活躍したフットボールスタジアム、最初の妻が入居する老人ホームとめぐり、センチメンタル・ジャーニーの様相になってくる…。
個人的には、映画サークルで遊んでいた学生時代を思い出す。
映画監督が来てくれた時など、みんなで大騒ぎだった。
なので、田舎の若者たちの興奮に共感してしまった。
個人史を全面的に風刺されても、余裕で演じるレイノルズの老いが魅力的な作品。
(アダム・リフキン監督/2017年/アメリカ/112分)

投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: