CF143 『フィラデルフィア』

CF143 『フィラデルフィア』
Philadelphia
障害を理由とする不当解雇への挑戦
新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、パンデミック本を読むと、天然痘の予防接種を受けるくらいで生きてきたのが、奇跡なのだという気持ちになる。
結核やマラリア、コレラなどが列挙されるなか、エイズ(後天性免疫不全症候群)をテーマにいい作品があったと思いだしたのが本作。
四半世紀前の作品になるが、見直すと、エイズとともに、同性愛者への差別と偏見がテーマなのだと改めて教えられる。
アンドリュー(トム・ハンクス)は、フィラデルフィア随一の法律事務所で働く、エリート弁護士。上司たちに期待され、重要な仕事を任され、張り切って働いていた。
だが、内緒で血液検査を受けるなど、体調不良にも気づいていた。
ある日、大切な裁判書類の紛失騒ぎが起こる。
身に覚えのないトラブルなのに、アンドリューは突然、「仕事ができない」と解雇された。
エイズに気づかれたに違いないと確信した彼は、法律事務所を相手に裁判闘争を決意する。
しかし、すでに発症している彼の依頼を引き受ける弁護士はなかなかみつからない。
かつてライバルだったジョー(デンゼル・ワシントン)を訪ねるが、同性愛を嫌うジョーは断わる。
しかし、みずからを弁護するため図書館で資料を探すアンドリューが、周囲の冷ややかな態度に耐える姿を見て、考え直す…。
同性愛をめぐるふたりの応酬や、育まれる友情もいいが、彼らが訴訟の根拠にするのが、1973年に制定されたリハビリテーション法というのが発見だった。
障害を理由とする解雇を禁じる条項があり、能力ではなく、エイズが理由の解雇は不当だという論陣だ。
2013年に日本が批准した障害者権利条約につながる法律について知ることもできる作品。
(ジョナサン・デミ監督/1993年/アメリカ/125分)

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