カテゴリー: 映画紹介
  • CF048 『わが母の記』

    “老耄”の姿 スタートは1959(昭和34)年。 ベストセラー作家の伊上洪作(役所広司)は、ふたりの妹に「おとうさんにそっくり」と言われ否定するが、日常のしぐさが父に似てきたと…

  • CF047 『黄昏』 On Golden Pond

    知的でシニカルな老後 エセル(キャサリン・ヘプバーン)とノーマン(ヘンリー・フォンダ)の夫婦は、ニューイングランドにある広大な湖のほとりの別荘にやってくる。 水鳥の声にはしゃぐエセルだが、ノーマンは「…

  • CF046 『大鹿村騒動記』

    認知症の妻を返されて… 舞台は長野県下伊那郡に実在する大鹿村。南アルプスに囲まれた深い谷間にあり、江戸時代から続く村歌舞伎「大鹿歌舞伎」を誇る。 そんな田園風景のなかに、風祭善(原田芳雄)…

  • CF045 『午後の遺言状』

    愛し合ったのだ 長寿のアーティストが膨大な作品群を遺すのは、画家のパプロ・ピカソが証明しているが、2012年5月29日、100歳で亡くなった新藤兼人監督が創り続けた映画、脚本、著書のリストも長大だ。 …

  • CF044 『人生、ここにあり!』  Si Puo Fare

    決めるのはみなさんだ! 舞台は1983年のミラノ。 労働組合で働くネッロは熱血漢だが、急進的な主張を嫌われ、精神医療センターに併設された「協同組合180」のマネージャーに左遷になった。 そこには精神障…

  • CF043 『山猫』 Il gattopardo

    退くプライド イタリアの巨匠・ヴィスコンティ監督は、10世紀までさかのぼるというミラノ貴族の出身で、華麗で難しい作品が多い。 ストーリーやロケーション、音楽から衣装まで徹底的にこだわった美しい作品群は…

  • CF042 『エンディングノート』

    “終活 “ も段取りが大事 「私の名前は砂田知昭、享年69 歳になります」。 少々たどたどしい女性のナレーションではじまる本作は、主人公・砂田さんの末娘が撮影、編集、…

  • CF041 『デンデラ』

    ポスト楢山 本作は、スプラッターが苦手な人や物語性を重視する人にはお勧めできない。 なのに、なぜ紹介するかといえば、姥捨て山に置き去りにされた老女はどうなったのか…という着想に興味を持った…

  • CF040 『再会の食卓』 Apart Together(団圓)

    「飯を食うことが大切だ」 食事が重要な映画といえば、高級台湾料理が並ぶ『恋人たちの食卓』(アン・リー監督、1995年)やフレンチのフルコース『バベットの晩餐会』(ガブリエル・アクセル監督、1987年)…

  • CF039 『木洩れ日の家で』 Pora umiera

    失意と決断 舞台はワルシャワ郊外、深い樹林に囲まれた古い木造邸宅。 豊かで華やかだった時代をしのばせる屋敷に暮らすのは、91歳のアニュエラ(ダヌタ・シャフラルスカ)と愛犬・フィラデルフィア。 アニュエ…