カテゴリー: 映画紹介
  • CF038 『ルイーサ』 Luisa

    貧しさと温もり 老若問わずシングル女性には、「結婚したくない女」と「結婚できない女」、「結婚したけどひとりになった女」の3種類あるが、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスのアパートで、猫のティトと暮ら…

  • CF037 『道』 La Strada

    気づくのはいつも遅すぎる 胸の筋肉だけで鎖を切ってみせる旅芸人、”鉄の肺の男”ザンパノ(アンソニー・クイン)は、妻兼助手だったローザが死んでしまったため、その妹でちょっと知的障…

  • CF036 『英国王のスピーチ』 The King’s Speech

    演説と障害 言葉をめぐる映画で一番古い記憶は、”三重苦”(視覚・聴覚・言語障害)を克服したヘレン・ケラー(1880~1968年)の少女期を描いた『奇跡の人』(アーサー・ペン監督…

  • CF035 『クレアモントホテル』 MRS PALFREY at The Claremont

    「残りの人生」の心意気 サラ・パルフリー夫人(ジョーン・プロウライト)は、最愛の夫に先立たれ、娘との同居にも嫌気がさし、新聞広告でみつけたロンドンの長期滞在型ホテルにやって来た。 ホテルは期待はずれの…

  • CF034 『コクーン』 COCOON

    不老不死になると… フロリダの海辺にある高級老人ホームに暮らすアート(ドン・アメチー)、ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、ジョー(ヒューム・クローニン)の3人は、隣接する無人の屋敷に侵入…

  • CF033 『レインマン』 Rain Man

    「理解」と「ともに」のあいだ ロス・アンゼルスで高級中古車ディーラーとして飛びまわるチャーリー・バビット(トム・クルーズ)は、厳格な父親に反発して家を飛び出した26歳。 要領よく世渡りをしてきたが、父…

  • CF032 『終着駅 トルストイ最後の旅』 The Last Station

    夫婦の愛憎は枯れない 世界中で読まれるトルストイ作品は、「主な登場人物」の名前の長さと愛称に混乱して、挫折を繰り返した。 作家本人もレフ・ニコラーエヴィチ・トルストイが本名で、愛称はリョーヴォチカ。ト…

  • CF031 『春との旅』

    「見果てぬ夢」がたどりつくのは… 津田忠男(仲代達矢)は白いあごひげに長いコートをまとい、不自由な足を引きずりながらずんずん歩く。 小柄な春(徳永えり)は荷物をぶらさげ、ガニ股で必死に祖父…

  • CF030 『トランスアメリカ』 Transamerica

    越えなければならないもの 個人的には「女らしさ」に抵抗してきたが、自分が女性であることに疑問を持ったことはない。これを「性同一性」と呼ぶのだそうだ。 しかし、性同一性障害(トランスセクシャル)の人は、…

  • CF029 『カッコーの巣の上で』 One flew over the cuckoo’s nest

    「支援」と「支配」のあいだ 精神病院が舞台の『カッコーの巣の上で』は、「管理社会の恐怖」を描いた傑作として知られ、原作となった同名小説は当時、ヒッピー・コミューンのリーダーとして知られたケン・キージー…