CF034 『コクーン』 COCOON

不老不死になると…
フロリダの海辺にある高級老人ホームに暮らすアート(ドン・アメチー)、ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、ジョー(ヒューム・クローニン)の3人は、隣接する無人の屋敷に侵入し、プールでくつろぐのが日課。
ある日、プールに巨大なコクーン(まゆ)がいくつも沈められていた。かまわず泳いだ3人は、元気が出てきた!
ジョーはアルマ(ジェシカ・タンディ)と、アートはメリー(モーリン・スティプルトン)と久し振りに夫婦の営みを果たし、独り者のベンは入居者のベス(グエン・ヴァードン)に愛を告白。彼女たちもプールに誘い、ディスコにボーリングと青春の再来を謳歌する。だが、ホーム仲間のバーニー(ジャック・ギルフォード)は認知症の妻・アルマの世話をしながら、「人間は与えられた寿命がある」と猛反発。
実はコクーンは、100世紀前(!)にアトランティス大陸に調査にやってきたアンタリア星人が、大陸沈没で緊急避難したカプセルだった。1万年ぶりにやって来た救出チームが、海底から引き揚げ、生命力を満たしたプールに一時保護していたのだ。
アートたちのはしゃぎぶりを眺めていたアンタリア星人のリーダー、ウォルター(ブライアン・デネヒー)は、「不老を求めるなら、一緒に来なさい」と誘う…。
もはや四半世紀前の公開時、往年の高齢ハリウッドスターが多数出演するSF作品に、「高齢になっても、死にたくないんだな」とぼんやり思った記憶がある。
再見したついでに、続編『コクーン2 遥かなる地球』(1988年)も観た。
こちらはカナダ人監督・ダニエル・ペトリーが手がけ、病気や貧困、戦争のないアンタリア星から5年ぶりに一時帰還した6人が、地球人として生きるなら、死もまた受け容れるべきではないかと悩むのがテーマ。
メリーはアートに「お互いを失うのは怖いけれど、親が子どもより生きるのはおかしい」と訴え、ジョーは出発前に患っていた白血病が再発。
6人がどんな決断をしたかは、観てのお楽しみ。
宇宙船にイルカ、すでにこの世を去ったベテラン俳優たちのコミカルな演技が楽しめる作品だが、公開時、日本の高齢化率は10.3%だった。
今や23.1%(2010年)なのだから、観る側の意識も相当変わったということか…とあれこれ考えてしまった。
(ロン・ハワード監督/1984年/アメリカ/117分)

投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: