CF102 『ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気』

CF102 『ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気』
Freeheld
遺族年金をめぐる闘い
ローレル(ジュリアン・ムーア)は、ニュージャージー州オーシャン郡の警察官。
男たちにまじって、麻薬捜査を続けるベテランだ。
だが、彼女は、保守的な職場で昇進の妨げになるため、同性愛者であることを慎重に隠していた。
ある日、ローレルは、郊外のレズビアンクラブ(体育会系)で、ステイシー(エレン・ペイジ)に出会う。
少年のようなステイシーは、自動車整備工場で働き、同性愛者であることも隠さない。
ひと目で恋に落ちたふたりだが、ローレルはいろいろと逡巡する。
年は離れているし、職業を教えるのもためらいがある。
率直なステイシーを怒らせてしまったローレルは、一歩前に出ることを決意する。
タフな警察官のほうが迷うところが、ちょっとおかしく、新鮮な印象を与える。
ふたりは、共同で一軒家を購入する。
お金が少ないステイシーは、リフォーム作業に頑張る。
パートナーシップ制度(シビル・ユニオン)を申請し、カップルであることも公的に認めてもらった。
あこがれの大型犬も飼い、ふたりの暮らしは、順調に滑り出した。
ところが、ローレルに末期ガンがみつかった。
自分が死んだら、ステイシーの経済力では、ローンを払いきれない。
現行制度では、同性でも病院などの面会権は保障されるが、遺族年金の受給は認められない。ローレルは、オーシャン郡にステイシーの受給権を認めるよう求めるが…。
予期せぬ展開にびっくりしたが、本作は、実在の女性カップルのドキュメンタリー『フリーヘルド』(原題も同じ)をもとに、映画化されたという。
闘病しながら、平等を求めたローレルの願いは、社会運動になり、マッチョな同僚たちを変え、ついに、オーシャン郡は遺族年金を認めた。
これが、同性婚を認める最高裁判決(2015年)につながった。
背景を知らなくても、ふたりの愛を中心に、アメリカのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)運動や、行政機構も知ることができる作品。
(ピーター・ソレット監督/2015年/アメリカ/103分)

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