CF103 『マイ・ベスト・フレンド』
Miss You Already
がんになった友だちとつきあう方法
ジェス(ドリュー・バリモア)が小学校時代、アメリカからロンドンに転校してきて以来、ミリー(トニ・コレット)は親友だ。
ろくでもないことは、すべてミリ―に教わった。
ふたりで『嵐が丘』を読んで、ヒースクリフにあこがれ、初キスも初セックスも一緒。
パンクな青春を楽しんだふたりだが、ミリ―はバンドボーイのキット(ドミニク・クーパー)との子どもを妊娠。
意外なことに、キットは家庭的な男に変身して、スピーカーの販売会社を立ち上げた。
ミリ―とともに働き、一軒家を手に入れ、2人目の子どもにも恵まれる。
一方のジェスは、環境保護活動で知り合ったジェイゴ(パディ・コンシダイン)と結婚し、テームズ河のボートハウスで暮らしはじめる。
優しくてユーモラスな夫との暮らしは楽しいが、ジェスは不妊に悩む。
ジェイゴは、国民健康保険の治療ではなく、体外受精を受けようと提案。
お金はかかるが、北海油田の採掘現場で荒稼ぎできると妻を励ます。
ところが、ミリ―に乳がんがみつかった。
化学療法を勧められた彼女は、夫より先にジェスに相談。
ふたりで、大学病院の化学療法を受け、ウィッグを選び、憎まれ口をたたきあう。
子どもたちのため、がん治療を説明するアニメションがあるのも興味深い。
ジェスは待望の妊娠をしたが、ミリ―は乳房の切除手術をすることになった。
乳がんには、女性に特有の悩みがある。
「私は自分磨きに大金をつぎ込んだの。私には、見た目が大事なの」と訴えるミリ―に、ジェスは無言で、せいいっぱい微笑んでみせる。
手術後、夫との関係が不調のミリ―は、酔っぱらって大荒れした挙句、ジェスを道連れに、ロンドンから400キロ離れた『嵐が丘』の舞台、ハワースまでタクシーを飛ばすが…。
原作のモーウェナ・バンクスは、みずからの乳がん体験が周囲に与えた影響を考え、脚本を練ったという。
過激なミリ―の乳がん、温和なジェスの不妊という、ふたつの悩みを織り込み、友だちががんになったとき、どうつきあうべきか、考えさせてくれる作品。
(キャサリン・ハードウィック監督/2015年/アメリカ/116分)
