CF108 『家族はつらいよ2』

CF108 『家族はつらいよ2』
喜劇・にっぽんのお爺ちゃん
平田周造(橋爪功)は、妻の富子(吉行和子)と横浜に暮らす73歳。
長男一家といまどき珍しい三世代世帯で、悠々自適の年金生活だ。
朝はいそいそとラジオ体操に出かけ、なじみの居酒屋のおかみ・かよ(風吹ジュン)とのつかの間の逢瀬を楽しむ。
しかし、長男・幸之助(西村雅彦)とその妻(夏川結衣)の悩みのタネは、傷の絶えない周造の愛車だ。
高速道路の逆走や人身事故を起こす前に、誰が免許返上を勧めるのか。
富子には「いやよ、私が不便になる」とあっさり断れられ、税理士の長女・成子(中嶋朋子)やピアノ調律師の次男・庄太(妻夫木聡)と押しつけあったが、結局、周造を怒らせ、開き直らせただけ。
富子は念願のオーロラを観るため、カルチャーセンターの仲間と北欧旅行に出かけた。
周造はこれ幸いと、かよをドライブに連れだす。
通行止めの工事現場で誘導員をしていたのは、なんと、広島の県立高校時代の同級生・丸田くん(小林稔侍)だった。
大きな呉服屋のあととり息子だった丸田くんは、サッカーチームのゴールキーパーだった。
事業に失敗したとは聞いていたが、どうしていたのだろう。
周造は同じく高校の同級生で、飲み仲間の向井くん(有薗芳記)と相談し、丸田くんの居場所を突き止め、かつての同級生を集めて励ます会を開く。
喜ぶ丸田くんとかよの店での二次会をして、家に連れ帰り、再び飲みつぶれた。
その翌日、父親の免許返上作戦を練るため、長男が家族会議を招集していた。
一家集合するなか、なんと丸田くんが眠ったまま亡くなったことがわかり、大騒動になる…。
庄太と妻・憲子(蒼井優)が調べた結果、丸田くんは、心臓が悪かったが、生活保護を勧められも「お国の世話にはなれない」と働き続けていたことが判明。
現代日本の高齢者が、周造のように恵まれた層と、丸田くんのように無縁社会や下流老人を体現する層に分断されていることをコミカルに描き出すともに、「この国は、死ぬまで働けと言うのか」という監督の怒りがこもる。
元気で頑固で偏屈な日本のお爺ちゃんを演じる橋爪功が秀逸だ。
(山田洋次監督/2017年/日本/113分)

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