CF111 『ジーサンズ はじめての強盗』

CF111 『ジーサンズ はじめての強盗』
Going in Style
年金暮らしは楽じゃない
ニューヨークに暮らすジョー(マイケル・ケイン)は年金暮らしで、離婚して孫と一緒に転がり込んだ娘がいる。
自宅のローンの督促が来たのを不審に思い、銀行に出かけたところ、銀行員は、ローンの優待期間が終わったので、返済が滞り、債務不履行になったとの得意げに説明。
家の差し押さえまで、猶予は30日間という。
唖然としているところに、銀行強盗団がやって来た。
周到な仕事を終え、覆面リーダーはジョーに「年寄りを敬うのは社会の義務だ」とささやいて立ち去った。
ジョーの家の近くに暮らすウィリー(モーガン・フリーマン)と長年の居候のアルバート(アラン・アーキン)は、勤めていた製鉄会社の元同僚で、退職後も仲良しだ。
ウィリーは腎臓病を患い、内緒にしているが、移植手術をしないと余命いくばくもないと言われていた。
だが、自由診療の手術を受ける資金はない。
気楽なのはアルバートひとりで、スーパーマーケットの店員(アン・マーグレット)と恋愛中。
ところが、3人の古巣の会社が合併することになり、新たな雇用契約まで現役は解雇、新たな年金基金の設立まで年金受給者は支払い凍結という事態になった。
おまけに、年金基金を清算して、会社だけを救おうとしているのは、ジョーに差し押さえを迫っている銀行だ。
ここはひとつ襲ってやろうじゃないか。
とはいえ、品行方正に生きてきた3人組。
スーパーマーケットの万引きで精神力を鍛え、犯行前には銀行強盗(失敗するのだが)を描いた名作『狼たちの午後』(シドニー・ルメット監督)で学習して挑むが…。
全員80代の名優3人が、熟練の演技で魅せるコメディは、上質の笑いと推理が楽しめる。
とはいえ、彼らが打ち合わせをするシニア向けの低額食堂の風景など、ストーリーの随所に、アメリカの社会保障への無言の抗議を感じさせられる。
原題の『Going in Style』には、「かっこよくいこう」という意味があるそうだ。
(ザック・ブラフ監督/2017年/アメリカ/96分)

投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: