CF117 『しあわせな人生の選択』

CF117 『しあわせな人生の選択』
Truman
「友だちが死ぬのは初めてなんだ」
カナダの大学に勤めるトマス(ハビエル・カマラ)は、旧友・フリアン(リカルド・ダリン)に会うため、雪に埋もれそうな町から、常夏のようなマドリッドにやってきた。
フリアンは遊び人の舞台俳優だ。
彼のアパート近くにホテルを取り、意を決して友を訪ねる。
なぜかといえば、フリアンは肺がんが肝臓に転移したのに、化学療法を止めると言いだしているのだ。
フリアンのいとこのパウラ(ドローレス・フォンシ)から連絡があり、「行かないと後で後悔するわよ」と妻に脅されて、ようやく4日間の休暇を取ったのだ。
久しぶりの再会に大喜びのフリアンはまず、動物病院に連れていく。
自分の死後、愛犬・トルマン(原題も犬の名前)がどうなるか心配なのだ。
フリアンは医師に「犬も喪失感を感じる?」と確かめる。
次は、自分が通っている病院。主治医に「もう全力を尽くしたから、わずかな財産を治療に使いたくない」と宣言。
トマスは、フリアンの言動に動揺しっぱなし。
翌日はトルマンの里親探しと、葬儀社のリサーチ。
「どなたの葬儀で」と問う担当者に「オレのだ」と答えるやりとりがコミカル。
だが、その夜、フリアンは劇場の支配人に「休養が必要だ」と解雇宣告されてしまう。
トマスは経済的な支援を約束して励ます。
3日目、「明日、息子は22歳だ」と言われたトマスは、食事に誘おうと提案。
フリアンはそうしようと、旅行社に寄る。
なんと、息子はアムステルダムの大学に留学中。
トマスはオランダへの日帰りフライトにめげそうになるが、がん末期であることを隠すフリアンに、息子ときちんと話すよう説得する。
最後の夜、トマスは親友のアパートで、手料理をふるまった。
パウラも参加するなか、フリアンはとんでもない告白をして、なごやかな会食は吹き飛ぶ…。
もはや初老のフリアンとトマスが重ねる会話は、ふたりが厚い信頼で結ばれていることを教える。
トマスの「友だちが死ぬのは初めてなんだ」という生真面目さと、フリアンの一見、勝手気ままな感情の交差が、ともに死に向きあうひたむきさを感じさせる。
(セスク・ゲイ監督/2015年/スペイン・アルゼンチン/108分)

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