CF121 『はじめてのおもてなし』
Willkommen bei den Hartmanns
「外国人材の受入れ・共生」へのヒント
ミュンヘン郊外に瀟洒な家を構えるハルトマン夫妻。
妻のアンゲリカ(センタ・バーガー)は、元小学校長で、動物愛護とエコロジーに熱心。
夫のリヒャルト(ハイナー・ラウターバッハ)は病院の外科部長で、退職勧告を無視してマシーントレーニングにヒアルロン酸注射と若返り術に余念がない。
息子のフィリップ(フロリアン・ダービト・フィッツ)は上昇志向の企業弁護士で、妻に逃げられ、小学生の息子に寂しい思いをさせている。
娘のゾフィ(パリーナ・ロジンスキ)は32歳の大学生で、ロマンチックラブを夢見る乙女だ。
アンゲリカはすれ違い夫婦の老後にアル中気味だが、子どものいない広い家に難民をホームステイさせることを思い立つ。
リヒャルトは「メルケル首相が大勢を歓迎しただけで充分だ」と反対するが、「人助けをしたいだけ」と彼女は譲らない。
結局、夫が折れて、難民施設からやってくる希望者たちと面会する。
大家族まるごとの受け入れ希望や、紛れ込んだイタリア人などの騒動がユーモラス。
結局、夫婦はナイジェリアで武装勢力に追われたディアロ(エリック・カボンゴ)に来てもらうことにした。
温和で勤勉なディアロは、4週間後には難民申請が認められるはずだ。
難民支援に熱心なアンゲリカの友人は、「歓迎パーティーは私にまかせて」と大張りきり。
一方、リヒャルトは医者仲間から「気をつけろよ」とささやかれる。
とはいえ、難民にはテロリストも紛れ込んでいる。
警察の厳しい監視のなかで、ディアロは一家のさまざまなトラブルに巻き込まれて…。
世界に紛争や迫害から逃れた難民は約7000万人。
難民条約にもとづきドイツが受け入れたのは100万人だ(移民は別に約1000万人いる)。
主要な受け入れ窓口は保守的とも言われるバイエルン州だが、その州都・ミュンヘンを舞台に、極右の隣人や受け入れ反対派、難民施設の様子まで描かれるのが興味深い。
内戦で家族を失った人への支援が、精神的に離散した先進国の家族を救済する物語に、偏見や差別に自他ともに格闘するドイツの姿が織り込まれた作品。
(サイモン・バーホーベン監督/2016年/ドイツ/116分)
