CF127 『パッドマン 5億人の女性を救った男』
Pad Man
生理ナプキンが広げた社会正義
排泄ケアの必需品とも言える紙おむつ。
思春期から生理ナプキンの経験がある女性は受け入れやすいが、男性には強い抵抗感を示す人が多いと聞く。
今回のインド映画は、ぼろ布で月経の処理をしている女性たちに、安く生理ナプキン(パッド)を提供することに成功した実在の社会起業家の物語。
小さな村に暮らすラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、新婚の妻・ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)が月経期間はベランダで寝起きし、ぼろ布を隠すように干しているのに驚く。
村に唯一の医師は衛生上とても問題があると言うが、市販の生理ナプキンは高価で、つつましい暮らしの夫婦には手が出ない。
ラクシュミが調べてみると、市販のナプキンは材料費の40倍もの値段がする。
手先が器用な彼は、愛する妻のために生理ナプキンの自作に挑戦した。
男性が月経に関わることがタブー視される社会で、実験台を頼まれた妻は、恥ずかしさを乗り越えて協力する。
しかし、ヒンズー教の信仰厚い家族や村人たちにとって、耐えがたい事件を起こしてしまった。
村を去るしかなかったラクシュミだが、彼の熱意にほれ込むバリー(ソーナム・カプール)と出会い、ついに低コストで生理ナプキンを製造できる機械の開発に成功。
工科大学のコンテストで発明賞をもらった。
ここまでだと単なるサクセスストーリー。
だが、特許を取ることを提案されても、ラクシュミには儲けるつもりは毛頭ない。
彼は簡易な機械に改良を加え、インド各地の村の女性たちが製造と販売を担って経済的に自立し、かつ衛生的な生理ナプキンを使えるようにしようと考えた。
こつこつと活動を広げたラクシュミは、国連に評価され、ニューヨークに招かれた。
彼のスピーチを聞いて、「社会正義」という言葉を久しぶりに思い出した。
(R.バールキ監督/2018年/インド/137分)
