CF130 『さらば愛しきアウトロー』

CF130 『さらば愛しきアウトロー』
The Old Man & the Gun
銀行強盗はやめられない
主演のロバート・レッドフォード(1936年生まれ)で記憶に残るのは、『明日に向って撃て!』(1969年)、『スティング』(1973年)など、アメリカン・ニューシネマ。
二枚目が軽快に銀行強盗や詐欺師を演じるのがぴったりだった。
本作は「俳優引退作」と銘打たれ、役柄は1980年代の銀行強盗だ。
74歳のフォレスト・タッカー(レッドフォード)は、微笑みながらポケットに入れた拳銃をチラリと見せ、発砲することなく銀行強盗を成功させる異能の持ち主。
仲間のテディ(ダニー・グローヴァ―)とウォラー(トム・ウェイツ)との連携プレイも見事なもの。
事件を担当することになったハント刑事(ケイシー・アフレック)は、被害を受けた銀行員や支店長が、タッカーのことを「紳士だった」、「礼儀正しかった」とほめそやすのを聞かされる。
一方、優雅な銀行強盗は仕事(?)の合間に、高速道路で出会ったジュエル(シシー・スペイセク)とデートを重ねる。
人生のベテランたちが恋を育てる会話が魅力的。
そんななか、強盗チームは、金塊を狙うというかつてない大仕事に挑むことになるが…。
公式ホームページをみると、タッカーとは1920年生まれの実在の人物。
華麗な手口で銀行を襲い、18回もの脱獄を成功させ、高齢期にも「黄昏ギャング」チームを率いて伝説的な強盗を働いていたとのこと。
ただし、19回目の脱獄はならず、2004年に83年の生涯を閉じた。
いやはやとも思うが、牧歌的な銀行強盗や脱獄は、セキュリティがっちりの21世紀には成立しないノスタルジーかも知れない。
ちなみに、「引退作」というが、クリント・イーストウッド(1930年生まれ)も何回も最後と言われながら、本作と同年に『運び屋』(こちらもおすすめ)を主演・監督しているから、どうだろう?
(デビッド・ロウリー監督/2018年/アメリカ/93分)

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