CF149 『ヘッド・フル・オブ・ハニー』
Head Full of Honey
本人が望むことをかなえよう!
タイトルの「ヘッド・フル・オブ・ハニー」(頭が蜂蜜でいっぱい)は、認知症になったおじいちゃん(ニック・ノルティ)が、孫娘のマチルダに「どんな感じ?」と聞かれた答え。
マチルダの両親はロンドンに移住し、贅沢な一軒家を構えているが、ママの浮気のせいで、パパは仕事に没頭して現実逃避。
おじいちゃんはアメリカで獣医をしていたが、おばあちゃんが亡くなり、物忘れがひどくなっていた。心配したパパは、おじいちゃんをロンドンに呼び寄せた。
でも、話がちぐはぐ。ホームパーティーは派手にぶち壊すし、オーブンを使って焼け死にしそうになったり、ママは毎日、ヒステリー状態。
夫婦仲もさらにこじれ気味。
ぜん息があるマチルダはある日、主治医に「アルツハイマーってどんな病気?」と聞いてみた。
ドクターはていねいに記憶が失われるしくみだけでなく、進行を抑えるには、本人が望むことをしてあげるのがいいとも教えてくれた。
10歳のマチルダは考えた。おじいちゃんは昔、新婚旅行で訪ねたベネチアにもう一度、行きたいと言っていた。
認知症が悪くならないように、私がベネチアに連れていってあげよう!
というわけで、ロンドンからパリ経由ベネチア行きの珍道中がはじまる。
途中下車するおじいちゃんを追いかけ、スイスの美しい山岳地帯をヒッチハイク。
移民に難民、修道院のシスターたちに助けてもらい、「水の都」にたどりついたが…。
本作はドイツで制作した作品を監督自身がハリウッド版にリメイクしたそう。
かしこく明るいマチルダの破天荒な「ヤングケアラー」ぶりがなかなか楽しい。
ドタバタコメディに近いが、アルツハイマー型認知症をしっかり教え、『ケープ・フィアー』などで知られるニック・ノルティ(1941年生まれ)の自然な演技にも感心。
なんと、マチルダ役は彼の孫ではなく、実の娘というのには驚いた。
(ティル・シュバイガー監督/2018年/アメリカ/128分)
